夏の暑さが本格的になると、細菌やウイルスによる食中毒が増えてきます。
とくにお子さんは免疫機能が大人ほど発達していないため、少しの細菌でも症状が重くなりやすいのが特徴です。
小児科の立場からも、ご家庭での「予防」が何より大切です。
まず食中毒の多くは、**細菌が食品に付着・増殖し、体内に入ることで発症します。
**有名なのはサルモネラ菌、カンピロバクター、大腸菌(O157など)ですが、これらは加熱が不十分だったり、生肉や生卵などから他の食品へうつってしまう「交差汚染」でも感染が起きます。
大切なポイントは3つ。
「菌をつけない」「菌を増やさない」「菌をやっつける」
です。
買い物の際は冷蔵・冷凍品を最後に選び、帰宅後すぐ冷蔵庫へ。
生肉・魚介類は他の食品と分けて保存し、まな板や包丁も肉用・野菜用で使い分けましょう。
調理の前後や途中にも、手洗いをしっかり行うことが感染リスクを大幅に減らします。また、鶏肉や卵料理などは中心温度75℃以上で1分以上加熱が確実な目安です。
食中毒の主な症状は、嘔吐・下痢・腹痛・発熱など。子どもは脱水になりやすいので、水分補給(経口補水液が最適)を意識しましょう。
無理に食事はとらせず、受診目安として「ぐったりしている」「水分が全くとれない」「血便が出る」「半日以上おしっこが出ない」などがあれば、速やかに医療機関にご相談ください。
ご家庭でのちょっとした工夫が、大切なお子さんの健康を守ります。もし不安や疑問があれば、いつでも当院にご相談くださいね。